ショッピングアプリ「Temu」は、2023年8月に日本で事業を開始しました。「アメリカで一番ダウンロードされているアプリ」とも呼ばれ、注目を集めています。しかし、まだ日本上陸から間もないTemuについて、興味を持ちながらも不安に思う人が多いかもしれません。そこで本記事では、Temuの概要と安全性が理解できるように、海外での報道などを参考にしながら調べてみました。
Temuとは?
Temuは、「億万長者のように買い物をする」というコンセプトで展開されている、PDD Holdingsの運営するオンラインショッピングプラットフォームです。TEMUは、App Storeの紹介文によると、「ファッションや日用品、化粧品、DIYグッズなど、世界中で流行りの新商品が高品質かつお手頃な価格で提供」することを目指しているようです。2022年9月にアメリカでサービスを開始し、2023年にカナダ、同年3月にはオーストラリアとニュージーランドに進出し、英語圏を中心にしながら近年世界中に進出しています。
Temuのビジネスモデルは「オンラインマーケットプレイス」と呼ばれる方式で、多数の売り手がTemuに入居し、Temuは消費者と売り手の間の取引をマッチングします。価格決定・販売・配送・アフターサービス等の機能をTemuが商品の売り手(メーカー・卸売業者)に提供します。
また、データを活用して需要と供給を予測することで、低価格での商品販売を実現しているようです。
たしかにTemuでは、非常に低価格な商品が提供されています。例えば、秋のセールでは商品が49円から提供され、Bluetoothイヤホンも500円程度からの価格を謳う広告を各種オンライン広告のチャネルに出稿し続けています。また、送料無料の代わりに購入金額が1,400円以上を最低注文金額とする条件が設定されています。
そしてTemuは積極的なマーケティングが特徴的で、米国のスーパーボウル(アメリカンフットボールの最高峰の大会、アメリカで最も盛り上がるスポーツイベントの一つ)に協賛し、「億万長者のように買い物しよう」というメッセージを全面に打ち出した、700万ドルから1400万ドル(10-20億円)規模と予測される広告キャンペーンを展開したり、SNSのシェア機能を用いた招待を通じて100ドル(約1万4千円)のクーポン券を配布するなど、巨額の費用をユーザー獲得のために投入しています。
Temuの商品ラインナップは、日用品、雑貨、衣類、携帯電話など多岐にわたります。また、家電製品や家具などの大型商品も取り扱っているようです。
Temuは日本で使える?
Temuは、2023年8月に日本で事業を開始し、日本語版のアプリUIをリリースし、日本への配送に対応しました。
Temuの運営会社は?どこの国のアプリ?
Temuを運営するPDD Holdingsは、中国の上海で創業された「上海寻梦信息技术有限公司」を起原とし、米国NASDAQに上場する企業で、現在アイルランドに本社住所を置いています。2015年9月に中国向け共同購入アプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」をリリースしました。中国発の多国籍企業と言えます。App Storeでの提供元は「Whaleco Inc.」というアメリカに本社を置く企業となっているようですが、こちらの会社については情報が多くなく、詳細はわかりませんでした。
Temuは安全?評判は?
海外通販サイト・アプリと聞くと、安全性に不安を覚える人も多いと思います。海外通販サイトをめぐっては、国民生活センターが開設している越境消費者センターによると、「商品が届かない」、「商品情報と実際に届いた物が違った、偽物だった」、「個人情報やクレジットカード情報を悪用された」などのトラブルが多く存在するため、身構えてしまいますよね。安心して安全にショッピングを楽しむためには、サイトの信頼性やトラブル事例の有無を調べる必要があります。
そこで、Temuが最初にリリースされたアメリカでの事例の有無を中心に、信頼性に関する評判や事例を簡単に調べてみました。
まず、Temuは米国で1億人以上のユーザーを獲得するなど、その規模の大きさは多くの人に利用されていることを表しています。2023年1月には1億9200万ドルのGMVを記録するなど、数多くの商品を販売してきた実績は間違いないようです。
一方で、ネガティブな報道も存在します。アメリカTime誌によると、 Temuは、商品が届かない、配送先が間違っている、追跡できないなどの配送トラブルが報告されているようです。
また、同運営会社の中国市場向け共同購入アプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」に関して、ロシアのサイバーセキュリティ企業カスペルスキーが拼多多 Android版にマルウェアが含まれており、Androidの脆弱性を利用して、ユーザーのセキュリティ許可を回避したり、プライベートメッセージにアクセスしたり、設定を変更したり、他のアプリのデータを閲覧したり、アンインストールを防止したりする可能性を指摘しています。Googleがそれに反応し、Google Playストアから該当アプリを削除する措置を行いました。
しかしながら、Temuが拼多多(ピンドゥオドゥオ)と同じくマルウェアを含んでいるという確定的な情報は無いため、Temuのアプリが危険であるということは断言できません。利用にあたっては情報に注視し、自分で判断する必要がありそうです。
例えばクレジットカード情報の登録に関する不安がある場合は、PayPalやコンビニ決済などの、直接カード情報を提供しないセキュアな支払い方法を検討することが推奨されます。
Temuの強みは?ほかの海外通販との違いは?
Temuはどのような点で他の越境ECプラットフォームと違うのでしょうか?例えば、TemuとAmazon、SHEINを比較した記事ではTemuが圧倒的に安いという結果が出るなど、主に価格面で圧倒的に強みをもっているようです。
ユーザー拡大のために赤字覚悟で商品やサービスを安価で提供してシェアを取りに行く手法は、スタートアップの世界ではよく使われています。これは、一時的な赤字を覚悟してまずはユーザーを獲得し、その後の利益を追求するという手法です。Temuは大規模な広告キャンペーンやクーポンの配布などを通じてユーザーを呼び込み、その利用を促進しています。この手法は競争の激しい市場で急速な成長を目指すスタートアップにとって、リスクを伴うものの、市場シェアを拡大するための有力な戦略とされています。
ただし、これらの強みに対しても注意が必要です。低価格の商品提供によって、品質や配送に関するトラブルが起きる可能性があることや、赤字覚悟の戦略が一時的な成功をもたらす一方で、長期的な収益の安定性に影響を及ぼす可能性もあることを考慮する必要があります。
利用者は、価格だけでなく、信頼性やサポート体制などの要素も総合的に判断することが大切です。
まとめ
本記事では、日本に上陸したばかりのショッピングアプリ「Temu」の特徴を、海外での状況をもとに調査して紹介しました。
Temuは注目される新興のショッピングアプリであり、そのビジネスモデルや積極的なマーケティング戦略によって急速な成長を遂げています。一方で、海外通販サイトにまつわるトラブルや懸念も存在し、Temuに関しても配送問題やセキュリティの懸念が指摘されています。安心して利用するためには、事前の情報収集と冷静な判断が不可欠です。価格競争力やユーザー拡大の戦略は魅力的ですが、個々の利用者は価格だけでなく、信頼性、品質、セキュリティ、アフターサポートなどの要素を総合的に評価し、自身に合った選択を行うべきでしょう。
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